一般的には、不具合やトラブルが発生した場合、それに対して事業者側(設計・施工含む)とユーザー側との間に認識ギャップが発生しやすい。一言でいえば「クレームとは品質に関するユーザーとメーカーの認識の差より生じる」ということが出来る。
この業界に携わる方々に関していえば、立場を替えれば自分たちもユーザーである。しかし生産者側にいるということで使用者としての見方が若干甘くなることはある程度は仕方がない。CS(顧客満足度)としては、基本的な機能の充足以上のグレードが求められているのだが、個々の職人レベルまでそれを徹底させるのはなかなか難しい。
事業者・施工者側には「この請負金額でこれだけのものが出来れば十分であろう」との認識があり、ユーザー側には「こんな高額商品なのだから、この程度のグレードであるべき」との思いがある。そしてその認識にもそれぞれの側で幅があり、それゆえにこの間の認識ギャップは大きくずれることが多く、不具合が発生した場合にクレームにつながりやすい。
最近の傾向としては、ユーザー側から過度な性能要求・品質要求が多くなってきているそうである。但し、生産者側にいたものとしては、品質に関する過度に厳しい要求については勘弁して欲しい、ユーザーに対しては「出来ることと、出来ないこと」の差、施工誤差というものの存在を認識していただきたいというのが正直な気持ちである。